K2 登山家 山下松司ファンサイトへようこそ。K2西稜からの初登頂 8611mへの「夢、挑戦、決断」の記録をお楽しみください

13発目 「8月7日 10時30分 頂上へ 下るか登るか!」 (1)

13発目 「8月7日 10時30分 頂上へ 下るか登るか!」 (1)

K2 8611m 頂上直下から見下ろす

大谷 大谷です。
松浦 はい、こちらBC松浦です。待ってました。着いたですか。
大谷 誠に申し訳ありません。6時過ぎに出て、あともう鼻の先なんです。もうあと1ピッチ伸ばして、あとコンテで行きます。ただちょっと、ぼくが頂上と勘違いしたのがまずかったんです。それとあと、ナジールの言うのを信じていたのがまずかったです。あと1時間ちょっとかかると思います。どうぞ。
松浦 体の調子はどうですか。
大谷 私、疲れておりますが、あとナジールと山下が大分参っておりまして、非常なスローテンポです。しかし、頂上へ行くという意思が非常に強いので、あとちょっとで着くと思います。
松浦 時間は、帰る時間がなくなると思います。非常に危険ですので、判断を誤らないでください。
大谷 はい、もうほんと距離にして100メーター先です。ちょっとでこぼこがありますので、若干時間がかかります。
松浦 頂上へ着き次第、もう一度連絡をして、すぐに下山するように。どうぞ。
大谷 はい、申し訳ありませんが、よろしいですか、頂上まで行って。どうぞ。
松浦 あとどのくらいかかるんだ?
大谷 1時間ちょっとで行くと思います。
松浦 ルートとしてはどうなんだ。
大谷 単純な雪稜です。どうぞ。
松浦 山下、ナジールは大丈夫なのか。
大谷 相当参っておりますが、何とかたどり着くと思います。どうぞ。
松浦 たどり着いても帰らなきゃだめなんだ。大丈夫か、山下、山下。
大谷 ナジールが手振って、「大丈夫です」とこたえてますが、どうぞ。
松浦 必ず帰らにゃだめなんだぞ。
大谷 はい、了解してます。南稜のボンベのところまでは必ず帰り着きます。どうぞ。
松浦 判断を絶対に誤らないようにしなければだめだぞ、大谷。
大谷 はい、了解しました。

松浦 大丈夫なのか。
大谷 とにかく残念です。時間が欲しいです。2人が相当ばてて、3人ゆっくり・・・。2時までに南々西稜に着けないと思います。どうぞ。
松浦 もう引き返せ、だめだ。2人の疲れてる様子を見たらとてもじゃないが南々西稜まで帰れない。あとわずかで残念だけれども、精一杯やったんだから悔いはない。帰れ。
大谷 本当に目の先なんです。いまBCから見えると思いますが、僕は西壁の上に立ってます。どうぞ。
松浦 もう目の先でも何でも、おまえ1人では2人を連れて帰れない。サポート隊がそちらの方へ入れないから、直ちに引き返せ。了解したな。
大谷 サポート隊は南々西稜までは来れないんですか。どうぞ。
松浦 南々西稜まではできない。ザイルも何も持ってないらしい。どうぞ。
大谷 あと2時間です。どうぞ。
松浦 だめだ、引き返せ。いいな、必ず引き返せ。
大谷 距離にしてわずか150メーターです。どうぞ。
松浦 だめだ、2人を安全に連れて帰るのがおまえの仕事だ。
大谷 はい、2人にその旨伝えて・・・。しかし、ほんとすぐなんですよね。どうぞ。
松浦 よくわかるけれども、2人をおまえが連れて帰るのがおまえの仕事なんだぞ。いいか。
大谷 はい・・・。

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