K2 登山家 山下松司ファンサイトへようこそ。K2西稜からの初登頂 8611mへの「夢、挑戦、決断」の記録をお楽しみください

14発目 「8月7日 10時30分 頂上へ 下るか登るか!」 (2)

14発目 「8月7日 10時30分 頂上へ 下るか登るか!」 (2)

大谷 トランシーバー、オンですか。どうぞ。
松浦 はい、こちらトランシーバー、オンです。逐次帰途の模様を報告せい。帰りのほうが難しいんだから、登りよりくだりの方が難しいんだから、ラカホシと高さが違うんだから。了解したな。
大谷 はい、わりと体力が必要で、ビバーク地までは技術的なものは要求されません。ただ、ビバーク地から南々西稜の取りつきまで、何ヵ所か悪いところはあります。ですからゆっくり下って4時間、5時間かかると思います。どうぞ。
松浦 はい、ゆっくり下れ。登りよりも下りの方が難しいんだから、いままての事故は全部下りで起こってるんだから。
大谷 はい、了解しました。2人はゆっくり注意をして下るから、何とか上へ行きたいと言ってますが、いけませんか。どうぞ。
松浦 だめだ、そこから下れ、時間的な余裕が全然ないし、時間があっても体力的、また思考力、こういったものでかなり疲れているはずだ。とにかくそこからすぐに引き返せ。了解したか。
大谷 はい、私は了解しました。

松浦 大谷、大谷、感度ありましたら応答願います。どうぞ。
大谷 はい、大谷です。どうぞ。
松浦 もう下ってるだろうな。下る用意してるだろうな。
大谷 その旨説明して下ります。どうぞ。
松浦 はい、本当に残念だけれども、2人を無事にベースキャンプまで連れて帰るのが君の仕事だから。了解したな。
大谷 はい、了解しました。また後ほど通信いたします。どうぞ。
松浦 はい、交信待ってます。

松浦 こちらBCです。こちらBC、BC。
山下 大谷さんといろいろ話しておりますが、きょうはナジールとぼくは体調がよくありません。なぜかといいますと、昨日全然酸素を吸っておりませんし、本日酸素なしの行動ですし、睡眠も一睡もとっておりませんし、食べ物も一粒も食べておりません。以上の条件で、ちょっとよたよたしておりますが、いまからC6へ下りまして、十分酸素と食糧を補給すれば、またビンビン元の身体になると思います。そこでまたいまの地点から先の頂上までを考えますと、僕らがトレースするのに十分な距離じゃないかと僕は思いますんですが。どうぞ。
松浦 キャンプ6といいましても、いま現在ありますのは酸素ボンベ一本だけです。そしてキャンプ6から頂上をアタックするためにはフィックスを張らなければ無理だと判断します。とにかくキャンプ6へ、できればキャンプ5へ直ちに下ってください。了解でしょうか。
山下 はい、直ちに下りたいと思います。ナジールと僕は、きょうは本当に食糧も睡眠も酸素も、何もかも一粒もこっちの了見でとっておりませんので、ちょっとなかなかルートが先に進まずにいるわけなんですが。キャンプ6の近くに酸素は150気圧程度のを3本デポしております。その3本を吸えば、十分過ぎるほどの肥やしになりはせんかと僕は考えております。それを吸って、そしてあしたまた3人で駆け登ってそして頂上まで何とかトレースしたいと僕は考えるわけなんですが。
松浦 はい、その件については今晩、話します。とにかく下りが一番大切です。いままでのヒマラヤの事故、すべて下りで起こっております。十分気をつけて、キャンプ6へとりあえず戻ってください。どうぞ。
山下 了解しました。とにかくC6に下ります。直ちに下ります。了解しました。
松浦 こちらはトランシーバーオープンにしておきます。そちらもオープンにしておいてください。どうぞ。
山下 了解しました。

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